目の前の光景に動転して叫び出しそうになるのと同時に、腕を引かれてベッドに倒され、口を塞がれた。
不自由な右腕を庇いながら、かっちゃんは体重をかけて左半身だけで僕を押さえつけ、真っ赤な顔を背ける。
「んぶ、ぅ」
「……何も言うな」
お腹に大きくて柔らかい膨らみが乗っている。普段の組み手では感じたことのない明らかに異質な存在に僕が目を向けると、かっちゃんは僕の口を塞いでいた手をさっと目元にずらした。視界が真っ暗になり、口が開放される。
「な、何それ」
「…知るか…クソ…」
個性事故に遭って早退したかっちゃんの寮部屋に様子を見にきた時、かっちゃんは頑なに扉を開けてくれなかった。
顔を見るまで帰らないと僕も意地になって居座り始めて、根負けしてくれたかっちゃんが薄く扉を開いたところを強行突破して今に至る。
隙間をこじ開けて飛び込んだ僕に驚いた様子のかっちゃんは、ズボンの股のところが異常に膨らんでいた。今もずっしりと僕のお腹の上にそれは乗っている。
「活性化しとる」
「かっせいか…」
「チンコとキンタマが」
「チ…!」
位置も柔らかさもそれしかないから、分かってはいたけれど言葉にされるとこっちも恥ずかしい。
お腹の上のそれを意識してしまって僕が身じろぎすると、かっちゃんはあっさりと僕の上から退いてくれた。
少し汗ばんだ身体にエアコンの風が当たる。
「そんだけだから、帰れ」
「えっ」
「問題ねぇ」
「で、でも、それ大丈夫なの?」
「……」
「……重そうだね…」
「……」
「……」
脚が3本あるのかってくらいに異常な膨らみ方をしたかっちゃんの下半身に僕が釘付けになっていると、かっちゃんはその視線から逃れるように僕の隣へと腰掛ける。
ハーフパンツの皺が無くなるほど張り詰めていて、膨らみはさっきよりもまた大きくなったように見える。
「どんどん大きくなるの…?」
「…おー」
「それは…本当に大丈夫なの…?」
ごくり。
口の中に溢れる唾液を飲み込み、僕は伸ばしそうになった手を引っ込めた。
今更だけど、かっちゃんとこんな話しているなんて、信じられない。
「…はち切れそー」
「えっ!」
「キンタマがせーし作り続けとんだわ」
かっちゃんは大きく開いた両脚の間を憎々しげに睨みつけている。
「だ、ダメだよそんなの!」
「あ?」
「かっちゃんのき、…た、…っそれ!が!…破裂なんてしちゃうなんて…!」
「別に死なねーだろ」
「そうじゃなくてっ」
はくはくと口を開け閉めして、上手く言語化出来ない気持ちを喉元で詰まらせた。
ベッドから立ち上がってかっちゃんに向き合う僕を、かっちゃんは訝しげに見上げてくる。
「だってっ…君は、いつか素敵な女性と…その、家族を作るだろ…!」
「はぁ?」
「ぼく、かっちゃんの赤ちゃん見たいよ…!」
「……ンだそれ」
気持ち悪いことを言ったかもしれないと思った時には、かっちゃんは顔を歪めてすっかり怒ってしまっていた。
チッ、と舌打ちが部屋に響く。
「オメーには関係ねーだろ」
「でも…!」
「帰れ」
「ごめん…でも、どうにも出来ないの…?」
熱くなる目頭をぐっと堪える。
いつかかっちゃんは誰かを好きになって、家族を作って、僕はその様子がたまにでいいから、見れたらいいなって、思う。
僕の想いは絶対に叶わない。だから、遠巻きでもいいから、幸せになる君を見ていたい。
「……」
「…おねがい。教えて」
「……射精すれば縮む」
「え?」
「出さなきゃデカくなり続ける。出せば出した分縮む」
「はぇ…」
「シコんのも限界だわ。オメーこの部屋イカくせーの気付かんのか」
「いか…」
溢れそうになる涙を指で拭って辺りの臭いを嗅いでみても、鼻水がズッと音を立てるだけでよく分からない。
ベッドサイドに置かれたゴミ箱の中には、確かに大量のティッシュが入っていた。
「限界って、お…おなにー出来ないの…?」
「もー散々ヤッた。デカくなんのがはえー」
「そんな…!」
はぁぁ、とかっちゃんは大きなため息を吐く。
そんな話をしている間にも、かっちゃんの股の膨らみはまた大きくなったように見えた。
「…て、てつだう…」
「は?」
「かっちゃんは目瞑ってて!」
「おい!」
「好きな女の人のこととか、その…想像してて!」
「ま、出久っ!」
どさっとかっちゃんをベッドに倒して、布団を頭に被せる。
慌てた様子のかっちゃんが起き上がってくる前に、僕はかっちゃんのズボンに手をかけて思い切りずりおろした。
ぼろん、って表現がぴったりな巨大なおちんちんが、僕の鼻先に触れる。
「ふぉ…」
「…」
僕の腕に近いくらいに大きく太く腫れ上がったちんちんと、握りこぶしみたいに膨らんだ睾丸が目の前を埋める。
ごくり。
口の中に溢れる唾液を飲み込んで、勃ちあがったちんちんに触れるとかっちゃんの手が僕の頭に乗せられた。
「いずく、」
「は、ァ」
口の中にはとてもじゃないけど入れられないから、舌と手を使っておちんちんをしごく。
じゅるっじゅっぢゅうぅっ
「ッ、」
「はぁっ…かっちゃん、気持ちいい…?」
どうやったらいいか分からないから、大きすぎるおちんちんを両手でこすこす擦りながら舌で舐めてみる。
口の中に広がる臭いと味でえずきそうになるのを堪えながらかっちゃんを見上げると、ばちっと僕を見下ろす瞳と目があった。
びゅるるるるっ!ビュッ!びゅぅぅぅぅぅ!
「わっ!」
びゅるるるる!ビュゥゥゥゥ!
「わわっ!ま、まだ出るの?!ひっん、ぅっ!」
手の中のおちんちんが大きく脈打ちながら射精して、大量の精液が僕の顔にかかる。
あまりの量にびっくりした僕がぎゅっとおちんちんを握ると、それでまた精子が出てきた。
「っ、は、ぁ」
「い、いっぱい出たね…」
「…ぉー」
「ちょっとだけ、小さくなったかな…」
「……」
「で、でも、まだ硬いままだね…?」
「…」
「…もっと出そ…?」
じゅるっぶちゅっじゅるるるるっじゅぶっぶぢゅっじゅっ
「んっぐぅっんぶっっ」
「はぁっ…いずく…っでる…」
びゅるるるるるっ!ビュゥゥゥゥ!ビュッ!ビューーーー!!
「んぶぅ…!っ!んぁっ!はぁ…っ!ぅぐ、ゲホッ…!」
口の中にぎりぎり入るサイズになったおちんちんをなんとか咥えて頭を上下に動かすと、かっちゃんは僕の髪を掴んで引き離してまたたくさんの射精をする。
疲れ切った顎を閉じることも出来ずに呆然とする僕の口の中に大量の精液が入ってきて、溺れそうになりながら息も絶え絶えに飲み干した。
「わり…大丈夫か」
「はぁっ…ん、まだ大きいね」
「…でも限界だろ」
僕が下手なのもあるだろうけど、かっちゃんのおちんちんは何度も射精してもまだ大きい。
ただ大きいだけじゃなくて、射精しても勃起が治る様子がなくて、かっちゃんは息が荒くて苦しそうだ。
「だいじょうぶ、だから…続けよ?」
かっちゃんがこんなに苦しそうなのに、僕はかっちゃんの精液でぐちゃぐちゃに濡れて興奮してる。
「あっ!」
勃ちあがったおちんちんを隠して座り込む僕をかっちゃんはベッドから見下ろしながら、足先を僕の股に滑り込ませた。
指先で小さく膨らんだ僕のおちんちんを撫でられる。
「俺だけ出してんのは不公平だわな」
ズリュッズリュッグリッブチュッズリッ
「あっぁっひっ!ま、ってっ!ぅ、かっちゃ、ぁ!」
「脚、閉じてろっ!ッ、!」
ぶちゅっズチュッばちゅんってバチュッパチュッズチュッズチッズチュッ
ベッドの上に仰向けに転がされた僕の太腿の間をかっちゃんのおちんちんが抜き差ししている。
ぴったり閉じさせられた太腿を擦りながら、かっちゃんのおちんちんが僕のおちんちんを何度も押しつぶしてたくさんの先走りで濡らしていく。
「こっこんなのっ!うぅっ!え、えっち、だよぉ!」
「さっきからずっとそうだろうが!」
「そ、そぉだけどっ!これはっせ、せっくすっ…ッみたいでっ!ン、ぅ、」
「っ、は…ッ!イヤ、なんか…っ」
「や、やじゃない、やじゃないけどぉ!僕まで気持ちいのはっ!だめなのにっ!」
「ダメじゃねーだろ…っ!」
「ンッんンッ!かっちゃ、助けるだけ、なのにィ…っ出ちゃ、出ちゃうっ」
「はー…ッおれも、出る…!」
ぴゅるっ
ビュルルルルルルッ!ビューーー!
僕が射精するのを上書きするみたいに、かっちゃんの精液が僕のお腹を濡らしていく。
股の隙間からお尻の方に垂れていく精液を感じて、きゅうきゅう切なくなる。
こんなの知ったら、諦められない。かっちゃんを好きなこと、一生無しに出来ないよ…
ズリュッズリっズリッズリッブチュッブチュッパチュッパチュッ
「んっふぅっ」
相変わらず勃ったまんまのおちんちんは、なんとか人並みに近いサイズまで縮んできた。
四つん這いになってぴったり閉じた僕の脚の間に、それでも大きすぎるかっちゃんのおちんちんが捻じ込まれる。
「ぁ゛ッ?!っ!ま、かっちゃ、ン゛っ!」
「は…エロ」
僕の腰を掴んでいたかっちゃんの手がお尻に滑り、中に指が差し込まれる。
グリッグチュッブチュッグリグリィッ
「ン゛ぁ゛ッまっで、ッ!ほ、ぉっ!」
「グッチャグチャ」
ぶちゅっずちゅっブチュッズリッズリッズリッバチュッバチュッバチュッ
股を動き回るかっちゃんのおちんちんと一緒に中の指もぐりぐり動かされて、本当にセックスしているみたいで頭が真っ白になる。
中にかっちゃんの精液が塗り込まれていくみたいに指が奥まで入ってきて、きゅうきゅう中を締めるとかっちゃんが後ろで笑った。
股の間でおちんちんがびくびく強張るのが分かる。もうすぐ射精する時のおちんちんの張りが伝わってくる。
ズリュッズチュッズチュッズチュッズチュッばちゅっばちゅっ
「かっちゃ、かっちゃっ!ンっぁっいく、イク、ぅッ…!」
ズリュッ!ビューーーー!ビュルルルッ!ビュゥゥゥゥッ!
「ンひ?!ぁッ…?!」
ピュルルッ
股から引き抜かれたおちんちんはお尻に当てられて、びゅーびゅー精液がお尻目掛けて出される。
指先で広げられた中に精液が入ってきて、僕は中の感覚に溜まっていく感覚で射精してしまう。
「ンぉ゛っ!ぁ゛ッ!」
ぶちゅっぷちゅっぐちゅぐちゅぐちゅっ
「かっちゃ、なか、ぁっ!」
ぐちゃぐちゃに濡れた中をかっちゃんの指が動き回る。
広げるように何本も指がばらばらに動かされて、終わったはずの射精がまたトロトロこぼれ落ちた。
「いずく、」
「ぁっンッ」
「挿れてェ…ダメか」
「かっちゃ、ぁっ」
ぶちゅぶちゅ中を掻き回しながら、かっちゃんは僕の首元へと頭を埋めて縋るように呟く。
「かっちゃぁ…っ」
「いずく…」
「いれて…ぼくも、ほしい…っ!」
「ぉ゛?!ほ、ぉ…ッ!ぉっ!ンぁ゛ッ!ア゛ッ!ぁあ゛っ!」
「はぁっ…!いずく…ッ」
ぐちゃぐちゃに濡れたベッドに仰向けに寝る僕の片脚を抱えて、かっちゃんのおちんちんが中をかき回す。
ビュルルルッ!バチュンッ!ズチュッバチュッ!
「がっち゛ゃ、ぁ゛!ぅ゛!ン゛!はぁっ!ぁ゛!なか、出てるぅ゛!」
ズチュッズチュッズチュッビュルルルルルルッ!
バチュッ!バチュッ!グリッグリッグチュッバチュッ
「んひィッ!ぁっんぅぅぅ゛ッ!」
射精してるのにかっちゃんの腰は止まらなくて、お腹の中がかっちゃんの精液で溢れていく。
もう個性の影響はきっとないくらいに出したはずなのに、かっちゃんのおちんちんはそれでも大きくて、まだずっと勃ったままで。
ごちゅっごちゅっごちゅっパンッパンッパンッ
「かっちゃ、ぁっ!おしりっ!へんになるっ」
「なっちまえ、いずく…ッ」
「かっちゃ!かっちゃんっ!」
バチュッバチュッバチュッグリグリィッ!ビュゥゥゥゥ…!
「ぁッ…!」
「はぁっ…いずく…」
かっちゃんは僕に覆い被さって息をつく。
「かっちゃ…」
暗くなっていく視界の中で、かっちゃんが僕に覆い被さってくるのがわかった。
唇を割ってかっちゃんの舌が僕の中に入ってくる。それなのに僕はもう手も足も舌も動かなくて、そのまま気を失ってしまった。
「いずく…」
それからのことは覚えていないけれど、朝起きたら身体は綺麗になってたし、かっちゃんも個性が解けて平然としていた。
だから、あの後何があったのかは詳しく聞いていない。
「孕んじまえよ」
耳に残った言葉は、きっと僕の夢。