「うわっ?!」
勝己が振り向くと、地面に胸元まで埋まった出久が両手でなんとか這い出そうともがいていた。
なんでだ。
あまりにも出久ばかりがトラップに嵌るから、自分が前を歩いていたはず。
「う、ひ?!な、なになにな、ッ…?!」
出久はもがく身体を硬直させたかと思うと、突然震えながら背を伸ばし、顔をこちらに向ける。
出久に何が起きているのか、勝己には全く分からなかった。洞窟の中に出久の声だけが響く。
「ぉ、お゛…っ!ッッゃ゛、め゛ろ、…ッッィ゛…あ゛…ッ!」
出久の目は焦点が合わず、ぐるりと上を向いた。力が抜けて開いた口から唾液がこぼれている。
出久を見下ろす視界に自分の股間が目に入った。それなりの厚さで出来たスーツがしっかりと盛り上がっている。
幼馴染を見てそうなっていいものではない。勝己はその誤作動がこの空間のせいだと思いたかったが、目の前で醜態を晒す幼馴染から目が離せないことも事実だった。
「ぁ゛ッぁ゛ッ…ォ゛オ゛…お、ほ、ぉ…ッ!が、っちゃ、…ッみないでっ!ァっ!ッッ」
「…ンなこと言ったって、おまえ、」
「お゛?!あ゛ッ!!いやだ、ま゛、ッッで、ェ…!やだ、やだ…ッ!!」
「出久?!」
出久は涙に濡れた目を零れそうなほど大きく開いて、焦ったように身体をバタバタと動かす。
勝己は我に返り、出久の両脇を抱えて思い切り穴から引き抜いた。何故すぐにそうできなかったのか、今更ながらに後悔が残る。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
出久は勢いよく穴から抜け出す。下半身のスーツは何らかの毒液で溶けたように消えていた。
晒された素肌に纏わりついていた触手が、洞窟内の明かりに驚いたようにスルスルと穴へと帰っていく。
「ンだこれ、?!」
「がっち゛ぁ、み゛な゛い゛で、ぁ゛、ああああッ!」
ブビュルルルルッ!ビューッッ!!!
「ほ、ぉ゛…ッ」
勝己に抱えられたまま、出久は床に何かを吐き出した。
勝己からは排泄されていく様子は見えなかったが、出久の意思では止められないようで、床一面へ広がっていく。透明な粘液に包まれた、何かの卵のように見えた。
「う、ぁ……、ぁ……」
「…大丈夫か」
「…ぅ…」
出久の”産卵”が落ち着いたところで、勝己は抱きしめていた出久をそっと離して、顔を覗き込んだ。
虚ろな目がこちらを見上げる。触手の粘液で濡れた肌がぬらぬらと光り、乳首は何かを刺されたのか、ぷっくりと肥大し、白い液体を零していた。
「…いずく?」
「……」
心拍はある。呼吸もしている。
応答のない出久の身体を隅々まで見回す。トロトロと精液を零す出久のちんこを、勝己のものが押しつぶしている。